パパ活模様 Nさんの場合②
こんにちは!
借金返済の日々を送るモケ45歳です。
えっと・・・続きです。
どうぞ。
Nさんからの連絡がなくなってから約1年・・・
定期的に会う人はいませんでしたが、その時々でご飯食べてくれる人は見つかり、彼女のことを思い出すこともなくなっていました。
そんなある日、彼女から連絡が来ました。
「返事遅くなってすいません!ちょっと色々ありまして!」
え?遅くなりすぎでしょ!!!何があったのかも気になりすぎるし!!!
でも、嬉しかったのですぐに返信しました。「また会えるかな?」の質問に対して「はい!ぜひお会いしたいです!」って、めっちゃ嬉しいんですけど!すぐにお互いの予定を確認して会う日を決めました。
そして当日・・・
私のイメージしていたNさんとはすっかり変わっていました。高校卒業間もない、黒髪で真面目な面影を残していた彼女の髪は金髪になり、化粧、服装も少し派手になっていました。かなり動揺しましたが、それは表には出さず・・・「なんか雰囲気変わったね」というと「ちょっと色々あったから」と照れ臭そうに苦笑いする彼女。
食事は、彼女と見つけた「例のあの店」に行きました。私も最後に彼女と行ったきり、1年ぶりでした。すごく懐かしい。ここで1つの奇跡が起きました。私たちが席に座り、注文をしようとスタッフを呼ぶと・・・スタッフの男の子が一言。
「ひさしぶりです!」
え???驚く私たちをよそにスタッフさんが話を続けました。「前に来られた時にDVDをたくさん持ってましたよね?その時に僕も話に混ぜてもらったんで、すごく印象に残ってたんです。」私はNさんと顔を見合わせ・・・そして2人で「覚えてる!!!」って叫びました。一瞬で時間が戻った気がしました。1年前にこの場所で、どんな会話をしたのかまで!
それから色んな話をしました。見た目は少し変わったけど、彼女の中身は何も変わっていませんでした。考え方、それから笑顔も。私と会っていない間、彼女はキャバクラ勤めをしていたようです。仕事がきつくて、なかなか会う時間が作れなかったと。お金がある程度貯まり、キャバクラの仕事も辞めてひと段落したので連絡をくれたということでした。
Nさんは見た目の他にタバコを吸うようになっていました。やはりストレスがすごいと。私がキャバクラは行かない、というと「モケさんは、あんなところ行かないほうがいいよ」って。(風俗通いしていたのは内緒にしてましたが・・・)そして「もうキャバクラは嫌だ、人生を変えたい!」そう言いました。
それを聞いて、私はひとつのアドバイスをしました。「旅に出るといいよ、海外に出ると自分を変えることができる」
私は、20代の頃にバックパック旅行でヨーロッパとインドを放浪した経験がありました。大学で引きこもって2留、その頃は人とまともに話すことも出来ずにほぼ対人恐怖症でした。社会に出て人並みに働く勇気もなく、でもなんかしなきゃ!って思って飛び出したのが放浪の旅。いまの私を見て過去に引きこもりだったと思う人はいないと思います。私が変われたのはこの旅のおかげでした。
彼女に放浪の旅に出ろ!とはさすがに言えませんが、体験を伝えたいと思いました。
私は放浪の旅の最中、ずっと日記を付けていました。ヨーロッパとインドの2冊。毎日2、3ページをそれぞれ30日付けていたので、そこそこのボリュームです。そこには20代の頃の私が思ったことが、その時のリアルな感情と共に書きなぐってあります。
次の食事の時に旅日記を持って行ました。彼女は熱心に読みふけった後「すいませんが貸してもらえませんか?家に帰ってゆっくり読みたいです」と言いました。一瞬、えっ?となりました。この日記は私にとっても宝物で手放したことはありませんでした。でも貸すことにしました。「次に会う時に必ず持ってきてね」
また会う日がやってきました。会ったのは「例のあの店」いったい何回目か???メニューをほとんど覚えてしまうぐらい。そこで彼女は驚くべき発言をします。
「私、海外に行くことにしました!モケさんみたいに1ヶ月も行けないけど、2週間イギリスに行ってきます!」
「マジか!?」「マジです!笑」
この言葉を聞いてすごく嬉しく思いました。その夜は作戦会議と化しました。イギリスのどこがいい?旅で気をつけることは?こんな楽しい食事デートは初めてでした。彼女もずっと笑いっぱなし。
そして別れ際・・・駅で別れの挨拶をしつつ、いつものお手当てを渡そうとした私に・・
「あの、今日はお手当て要りません!」
私はびっくりしました。ただ渡さないわけにもいかないので無理やり渡して「これで旅費の足しにしてよ」と言うと「じゃあ、お土産買ってきますね!」って。そして最後に握手をして彼女は改札へと消えて行きました。私はすごく満足でした。出会いにありがとう。
しかし、彼女と会ったのはこれが最後でした。
実は、私は彼女の本名を教えてもらっていました。
彼女と会えなくなってから、あるSNSで彼女の検索をしました。
そこで、彼女の旅の様子がアップされているのを見ました。
そこには・・・彼女らしい、少し影のある写真の数々と共に一言言葉が添えられていました。
「ここには私の求めていたものは見つからなかった」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
私が書いているのは、皆さんのイメージしているパパ活とは少し違うかもしれません。
ただ、リアルです。結局私は何もできない存在であって、でも何かを変えたいと思ってこんな活動をしています。
Nさんの胸にはポッカリと穴が空いています。ただ私の方にもポッカリと空いた穴があるんです。お互い穴の空いたもの同士がその穴を一生懸命塞ごうと足掻いている、パパ活ってそんなものじゃないかと私は考えています。
次回は、申し訳ないのですが、そんな穴の空いている「私」のことを書かせてもらおうと思います。
つづく